認定林業事業体について
認定林業事業体は、林業労働力の確保を目的とした「林業労働力の確保の促進に関する法律」に規定されています。
知事の樹立する基本計画に基づいて、事業主が、「労働環境の改善、募集方法の改善、その他の雇用管理の改善及び森林施業の機械化その他の事業の合理化を一体的に図るために必要な措置についての計画」(以下「改善計画」と言う。)を作成し、知事に認定されれば「認定林業事業体」となります。
改善計画内容は、労災・雇用保険の管理、就業規則の作成、通年就労を可能にする事業量の確保、日給制から月給制への改善、賃金水準の向上、労働時間の短縮等の向上を目的としています。
新規参入者確保のための雇用・就労条件の改善等には、多大の経費負担を必要とすることから、経営体質を強化するための合理化も一体的に図るものであり、今後も永続的に労働力を有し、林業(森林整備)活動を担う中核的な事業体です。
* 概要・様式等は 奈良県森林資源生産課のWEBよりダウンロード できます 。
認定林業事業体になるメリットとは!?
*奈良県木材生産推進事業の申請者又は共同実施団体になることができます!
*奈良県県産材生産促進事業の事業主体になることができます!(森林組合は当認定の取得有無に関わらず事業主体となれます)
*当センターより、雇用管理改善に関する指導・助言・情報提供 及び セミナーを受講することができます!
*林業従事者の求人に限定した、「森林の仕事ガイダンス(合同会社説明会)」へ参加することができます!
*将来の林業を担う現場技能者を育てる、「緑の雇用」新規就業者育成推進事業、現場技能者のキャリアアップ対策の実施事業体となることができます!
改善計画の実施項目 「事業主が一体的に行う雇用管理の改善」 とは!?
林業労働者を安定的に確保するためには、
林業労働者の福祉の向上と生活の安定を図ることが必要となります。
雇用管理体制の充実
・常時5人以上の林業労働者を雇用する事業主は、雇用管理者の選任に努めるとともに、選任された雇用管理者は研修の受講等により資質の向上に努めましょう。
・事業主は雇用管理に必要な知識、改善方法の習得のため、当センター主催の「魅力ある職場づくり塾」の受講等に努めましょう。
詳しくは、\ 雇用管理者を選任していますか?/ をご覧ください!!
雇用関係の明確化
・事業主は、就業規則を整備し、関係法令の改正の際は見直しを行いましょう。
・事業主は、雇い入れ時に事業主の氏名または名称、賃金、契約期間等の主要な条件を明記した労働条件通知書を交付する。また、形式上の請負のような形をとっていても、実態においては事業発注者との間に使用従属関係が認められる場合には、適切な雇用契約を締結しましょう。
詳しくは、\ 労働条件通知書を交付しましょう! / をご覧ください。労働条件通知書の様式もダウンロードできますのでご活用ください!!
雇用の安定化
林業作業は季節や天候に影響されるため、季節的な雇用や、雇用が臨時的になり、雇用の安定化が図りにく業種です。そのため、事業主は、年間通じた事業量の安定確保を図るとともに、林業労働者の通年雇用者化、月給制や定期昇給の導入に努めましょう。
労働条件の改善
事業主は、労働条件の改善のため、以下のことに努め快適な職場環境を形成していきましょう。
・週休2日制の導入等労働時間の短縮
・社会保険を具備し、その加入促進(健康保険・厚生年金保険・労災保険・雇用保険)
・労働災害が多く発生している伐木作業等における安全な作業方法の定着等による労働災害の防止、高性能林業機械の導入等による振動機械の作業時間の短縮、労働強度の軽減等を図り、また、特殊健診の受診に努める等、林業労働者の安全と健康確保
・女性が働きやすい労働条件、職場環境の形成
募集・採用の改善
事業主は、求人に当たっては、新規学卒者、U・I・Jターン等の転職者、また世代ごとに求める条件も異なることを考慮し、的確な求人条件の設定をおこない、WEBやSNSの活用等による効果的な募集活動の実施に努めるとともに、ハローワークの活用や、求職者へのアピール度を高めるため、当センター主催の合同求人説明会(森林の仕事ガイダンス)へ参加しましょう。なお、必要な労働者を確保するためには、効果的な募集活動と他の雇用管理の改善を併せて行うことが重要です。
教育訓練の充実
事業主は、日常の業務を通じて必要な知識、技能又は技術を身につけさせる教育訓練(OJT オン・ザ・ジョブ・トレーニング)及び 日常の業務から離れて講義を受ける等により必要な知識、技能又は技術を身につけさせる教育訓練(OFFJTオフ・ザ・ジョブ・トレーニング)の計画的な実施に努めましょう。
高年齢労働者の活躍の促進
林業労働者の若返りを図る際は、現場技能が継承されることが重要であるため、高度な技術を有する高年齢労働者による技術指導が不可欠です。事業主は、高度な技術を有する高年齢労働者を技術指導者として雇用することに努め、また定年の引き上げや定年後の再雇用制度の導入に努める。更に高年齢労働者の特性に配慮した、安全性の高い作業方法や新規就業者の技術指導に努めましょう。
その他の雇用管理の改善
事業主は、魅力のある職場づくりのため、林業退職金共済制度や中小企業退職金共済制度等へ加入するなど、福利厚生を充実に努めましょう。また、林業労働者の職業意欲向上に資するよう、能力を評価するシステムの導入に努め、能力に応じた作業配置や、自己研鑽による技能、技術の向上を図ることのできる職場環境づくりに努める。更に、林業経営体としての将来設計及び雇用される林業労働者のキャリアビジョンの明確化に努めましょう。
*福利厚生を充実させることで、労働者の満足度があがり定着につながります
*求職者は、就職先の選択として「福利厚生の充実」は重要なポイントです
改善計画の実施項目 「事業主が一体的に行う事業の合理化」 とは!?
事業の合理化を促進するためには、
事業量の安定的確保や生産性の向上を図ることが必要となります。
事業量の安定的確保
大部分の森林所有者は小規模・零細であることから、事業主は施業地の集約化と効果的な施業を実施することにより、事業量の安定的確保に努めましょう。
また、事業主の経営の安定化及び林業労働者の雇用の安定化に資する観点から、県、市町村、関係団体が実施する森林整備については、計画的な受注に努めましょう。
更に、国有林野事業では森林整備事業発注に当たって、認定事業主には競争参加資格要件は緩和される場合があることから、認定事業主は計画的・安定的な事業量確保のため、入札参加に努めましょう。
生産性の向上
事業主は、生産性の向上を図るため、林内路網と高性能林業機械等を組み合わせた低コスト作業システム、伐採から植栽まで一体的に行う「一貫作業システム」等の新たな技術の積極的な導入、協定締結などによる木材の安定的な供給先の確保と流通の効率化等に努めましょう。
林業労働者のキャリア形成支援
事業主は、新規就業者はもとより、現場管理責任者等のキャリアアップについても、「緑の雇用」新規就業者育成推進事業、現場技能者キャリアアップ・林業労働安全対策(フォレストワーカー、フォレストリーダー、フォレストマネージャー研修)等を活用して、機械化やOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)研修等の継続実施に努めましょう。
その他事業の合理化
事業主は、零細な場合が多く、また、過疎地に所在することが多いため、特定地域づくり事業協同組合制度の活用等を検討するなど、事業の合理化の実施に努めましょう。
改善措置実施状況報告 及び 改善措置実施結果報告の提出!
改善措置実施状況報告(様式13)
事業主は、知事より認定を受けた「改善計画」(5ヶ年の計画)の進捗状況を1年に1度確認します。
報告は、年次の「改善計画」の内容を踏まえて記載し、事業年度終了後3ヶ月以内に当センターへ提出してください。
改善措置実施状況報告(様式14)
事業主は、知事より認定を受けた「改善計画」(5ヶ年の計画)の結果を期間終了後遅滞なく、当センターへ提出してください。
* 様式13・14は 奈良県森林資源生産課のWEBよりダウンロード できます 。
令和6年1月現在
45事業体が認定されています
奈良県認定林業事業体一覧
奈良市
*奈良市森林組合 奈良市内侍原町6番地
橿原市
*杉森林業 橿原市新賀町308-4
桜井市
*ウッドバンク有限責任事業組合 桜井市生田713-1
五條市
御所市
*中野林業株式会社 御所市東名柄118
宇陀市
*株式会社万樹 宇陀市榛原高井446番2
*室生村森林組合 宇陀市室生大野2439
*天馬運輸株式会社 宇陀市大宇陀塚脇406番地の2
*丸一林業株式会社 宇陀市榛原八滝613
宇陀郡
高市郡
北葛城郡
*一般社団法人大和森林管理協会 北葛城郡王寺町本町2丁目88
吉野郡
*北村林業株式会社 吉野郡吉野町上市287
*羽根木材株式会社 吉野郡大淀町大字下渕150番地
*中井木材 吉野郡黒滝村大字赤滝290番地
*原木材株式会社 吉野郡天川村中谷164
*美吉野木材株式会社 吉野郡天川村川合275-3
*野迫川村森林組合 吉野郡野迫川村大字北股36
*中林業 吉野郡十津川村桑畑281-4
*ヤマツ産業有限会社 吉野郡川上村柏木126
*ポロ・ビーシーエス株式会社 吉野営業所 吉野郡東吉野村中黒3-5
*森口林業 吉野郡東吉野村大字麦谷616